テニスストリングのゲージは、ストリングの太さを表す数字です。数字が大きいほど、ストリングは細くなります。ゲージの数字が示す範囲は互いに重なり合っており、ブランドによって当てはめ方も同じではないため、比べるならミリ単位の直径のほうが確実です。細いストリングは弾きが良く切れやすい傾向があり、太いストリングは長持ちしやすく、打球感が硬めになる傾向があります。
ポイント
- ゲージは数字と太さが逆に進みます。17は16より細く、「L」(ライト)は整数のゲージ同士の中間にあたります。
- ゲージの数字は直径の範囲を表しており、すべてのブランドが同じ範囲を使っているわけではありません。パッケージに記載されたミリ表記を確認しましょう。
- 太さの影響がもっともはっきり出るのは耐久性です。スピンへの影響は、よく言われるより小さく、不確かです。
- ゲージを比べるなら、同じストリングの2種類の太さを同じテンションで試しましょう。
ゲージとミリ単位の直径
ゲージは表示上の呼び名で、直径は実際の測定値です。ストリングメーカーのAshawayによると、ゲージの数字はもともと工業用ワイヤーのゲージサイズを基にしていました。しかしストリングメーカーが次々とサイズを増やすなかで、業界は各数字をひとつの正確なサイズではなく、許容される直径の範囲として扱うことで合意しました。15Lや16Lといった「L」(ライト)は、整数のゲージ同士の隙間を埋めるものです。
下の表は、公開されている2つのチャートを並べたものです。推奨ではなく参考として、発行元によって範囲がどれほど違うかを示しています。
| ゲージ | Ashawayのチャート | Tennis Warehouseの目安 |
|---|---|---|
| 15 | 1.41–1.49 mm | 1.35–1.40 mm |
| 15L | 1.33–1.41 mm | 記載なし |
| 16 | 1.26–1.34 mm | 1.25–1.30 mm |
| 17 | 1.16–1.26 mm | 1.20–1.25 mm |
| 18 | 1.06–1.16 mm | 1.15–1.20 mm |
| 19 | 記載なし | 1.10–1.15 mm |
ブランドによってゲージ表記が違う理由
同じ表記でも意味が異なる理由は2つあります。
範囲が重なっている
Ashawayのチャートでは15Lと16の範囲が重なっているため、1.33 mmや1.34 mmのストリングはどちらで呼んでも正しいことになります。Ashawayははっきりと、その重なりの中での違いはマーケティング上の問題にすぎないと述べています。ほかの範囲の境目でも同じことが起こります。
統一されたチャートは存在しない
Tennis Warehouseは、標準化された統一のゲージチャートは存在せず、ある会社の16が別の会社では16Lかもしれないと指摘しています。そのうえで、実際のミリ表記で比べるよう勧めています。上の表がまさにその問題を示しています。1.25 mmのストリングは、Ashawayでは17の範囲内ですが、Tennis Warehouseの目安では16と17の境目にあたります。
どうすればいいか
2つのストリングを比べるときは、ゲージの数字ではなくミリで比べましょう。多くのメーカーはパッケージに両方を記載しています。Pro Stringer Stringsのように直径だけで表記しているメーカーもあり(たとえばBlue Steelは1.23 mmと1.28 mm)、あいまいさがありません。なお、記載された直径は公称値です。伸びてプレーで使われたストリングは、測ると少し細くなっていることがあります。
ストリングの太さで変わること
素材と構造が同じなら、ストリングが細くなったり太くなったりすると、通常は次のような変化があります。ゲージより素材のほうが影響は大きいため、細いポリエステルと太いマルチフィラメントは、同じストリングの「細い版」と「太い版」のようには振る舞いません。素材そのものについてはテニスストリングガイドで解説しています。
耐久性
もっともはっきりした効果で、ほとんどの情報源の見解が一致している点です。太いストリングのほうが、一般に耐久性は高くなります。ストリングをよく切るプレーヤーは、同じストリングの太いタイプに替えるのが一般的です。細いストリングはノッチ(ストリングの交差部分にできる溝)ができやすく、切れるのも早い傾向があります。トップスピンを多くかけるプレーヤーでは特にそうです。
打球感とパワー
Tennis Warehouseのストリングガイドは、一般的な見方を次のようにまとめています。細いストリングはパワーとスピンが増し、太いストリングはコントロールと耐久性が増す、というものです。実際に、細いストリングは弾きが良く、太いストリングは硬めで打球感がマイルドだと表現するプレーヤーは多くいます。こうした違いを実感するプレーヤーは多いものの、素材による違いに比べれば、たいていは小さなものです。
スピン
細いストリングはスピンがかかりやすいと広く言われています。しかし、条件を管理したテストでは、より慎重な結果が出ています。Tennis Warehouse Universityのストリングの動きに関する研究は、以前の実験で得られた知見として「ストリングのゲージはスピンに影響しない」を挙げ、より大きな要因はストリングの素材と動きだとしています。スピンが一番の目的なら、ゲージを変えるより素材を変えるほうが効果は大きいでしょう。
テンションと快適性
太さとテンションは互いに影響し合います。同じ基準テンションでも、細いストリングと太いストリングでは感触が異なることがあります。ここでは詳しく繰り返しませんが、ラケットに記載された推奨範囲を出発点にテンションを調整する方法は、テニスのストリングテンションガイドで解説しています。
ゲージの選び方
どのゲージが一番、という正解はありません。今使っているストリングを出発点に、何を変えたいのかを考えましょう。
ストリングをよく切る場合
気に入っているストリングの太いタイプを試しましょう。ほかの打球感を変えずに、ストリングを長持ちさせるもっとも直接的な方法です。
長持ちするが打球感が鈍いと感じる場合
同じストリングの細いタイプを試しましょう。寿命は短くなりますが、弾きの良い打球感が得られるかもしれません。それで切れるのが早すぎるなら、太さを元に戻しましょう。
ハイブリッドを使っている場合
メインとクロスを同じ太さにする必要はありません。片方向だけ少し細いストリングにして、もう片方で耐久性を保ちながら打球感を変えるプレーヤーもいます。これはそれだけで解決する方法ではなく、試すべき変数のひとつと考えましょう。
迷っている場合
気になるストリングのラインナップから中間の直径を選び、もちと打球感に応じて太くしたり細くしたりして調整しましょう。ほとんどのストリングは複数の直径で販売されているので、ほかの条件を変えずに太さだけを変えられます。
ゲージ変更の試し方
ゲージの差は小さいため、なんとなく試すだけではほとんど何もわかりません。きちんと条件をそろえて試せば、違いが見えてきます。
- ほかの条件はすべて同じにします。同じストリングモデル、同じラケット、同じテンションで、変えるのは直径だけです。
- 可能なら同じラケットを2本用意して、それぞれ異なる直径で張り、同じセッションの中で持ち替えて比べましょう。
- 各ラケットを張った日付と、おおよそのプレー時間を記録します。
- セッションごとに、ボールの深さ、快適性、タッチショットでの打球感、ノッチやほつれの有無を書き留めます。
- それぞれのストリングが切れた時期や、反発がなくなった時期を記録します。耐久性は、感覚ではなく測定できる唯一の違いです。
太さによる変化と張り上がりの違いによる変化を切り分けたいなら、毎回同じように張ることが大切です。良い張り替えの条件はテニスラケットの張り替えガイドで、劣化したストリングのサインはテニスストリングの寿命ガイドで解説しています。
よくある質問
16Lは16より細いですか?
はい。「L」はライトの略で、16Lは16と17の中間にあたります。範囲が重なっており、ブランドによって使い方も異なるため、確実に知りたいならミリ表記を確認しましょう。
手持ちのストリングのゲージがチャートと合わないのはなぜですか?
統一されたチャートが存在しないからです。会社ごとに公開しているチャートの範囲は異なり、2つのゲージに同時に当てはまる直径もあります。信頼できるのはミリ単位の直径です。
ストリングの直径は自分で測れますか?
はい。マイクロメーターかデジタルノギスで、未使用のストリングを測ります。パッケージの表記と比べたいなら新品のストリングを測りましょう。使用済みのストリングは少し細く測れることがあります。
次のステップ
今使っているストリングのミリ表記を調べ、耐久性を高めたい(太くする)のか、弾きの良い打球感がほしい(細くする)のかを決めて、一度にひとつずつ変えて試しましょう。自分でラケットを張るなら、Pro Stringerラーニングセンターでステップごとのストリンギング動画をご覧いただけます。



